質屋ということばを聞いただけで、どこか独特の響きを感じる人が多いと思います。そして、質屋が独特であるのは、イメージやことばの響きだけに限ったわけではなく、そのシステムの特異性も特質される部分であることはすでにお話してきたとおりです。
質 瀬戸
で、その最大の特異性というと、やはり質屋は「利用者の人物像は一切加味して考慮ない」という部分にあります。特に、「利用者の返済能力について加味しない」という部分が、金融業者としてはあまりにも特異であると言わなければなりません。
その意味で、質屋というのは「人と人とのつながり」という、金融業の基本的なシステムとは大きな乖離があります。人相はもちろん、年齢も性別も年収も性格も、質屋ではあらゆる「人間性」を無視することからすべてが始まるのです。そういう質屋特有の性質が、ある人間にはありがたいファクターとして長じられる半面、そうでない人間にとっては、「自分にとっては合わない場所」ということになるのではないでしょうか。
それと、もうひとつの特異性が、「返済方法」の部分にあります。お金を借りたら、それに金利をつけて返済するというのが普通の金融業者ですが、質屋の場合、基本的にそれはまったく同じなのですが、そこに「物(質草)」が介入することで、質屋も利用者も「心のゆとり」が生まれるというのが、非常に優れた点だと言えるでしょう。
無理に取り立てる必要もないですし、無理に返済する必要もないわけですから、金融業にありがちな「怖さ」を大きく軽減できるのです。